2013/02/03

大分県に学ぶ③

 1月27日(日)午前中は,授業改善セミナーⅠです。大分県立美術館推進局主幹の木村典之先生の司会で,パネルディスカッション「鑑賞で楽しもう美術教育」でした。
 
パネラー次の3名の方です。
     ◎臼杵市立北中学校 永松芳恵先生
     ◎大分県立芸術会館 池田隆代先生 
     ◎しろひげNature Art Work Shop 鈴木  斉先生

★人と人との信頼のネットワークが美術教育を支えている!★

 永松先生は,体育館に本物の作品を展示した取組を中心に発表されました。警備員も24時間常駐。飾り付けも専門の方々が行ったとのことです。臼杵市でも本県と同じく,美術の専任教師が配置されない現状があり,そのなかでの取組であることもすばらしく思いました。
 日々の激務に加え,さまざまな連絡調整,計画づくり,場所の確保,日程確保…これはすごいパワーです。でも,その原動力はやはり「目の前の子供たちのために」というものでした。これは私たち教師の共通の願いですね。この崇高な思いが,心からの共感を呼びます。感動です。
 
 
 「管理職の理解が後押しになっている」とのこと。でも,これも管理職からの「信頼」があるからでしょう。日頃の先生の取組があっての非常に深い言葉に思いました。永松先生も大分の美術教育を支えている大切な柱のお一人でした。

 池田さんは,前日の美術鑑賞教育フォーラムを中心になって取り組んでこられた方です。「私は教員ではありませんから」とおっしゃっておりましたが,子供たちの成長を見る目はすばらしいものがありました。また気さくで誠実なお人柄からか,芸術会館とともに実践に取り組んだ,それぞれの学校の先生方とのつながりも深く,その信頼関係の中でさまざまな実践がされていることがわかり,心が動かされます。
 造形教育を愛する心,人と人とのつながり,結び付き~その根底にある子供たちへの深い愛情。
参加されている大分の先生方の自らを磨き力量を高めようとしてる姿に何か大切なものを教えていただいたきがしました。

 鈴木先生は,東京都で中学校美術の教師をずっとなさっていた方です。パネルディスカッションが始まる前にスライドショーに感動しました。生徒が屏風絵づくりに取り組み,文化祭の背景に飾られその前で合唱を披露する生徒たち。そして,卒業式の壇上にも。優しい音楽をバックに時系列に淡々と流れるスライド。子供たちがシャッターを押したという自然な画像には,子供たちが作品が仕上がっていくのと同時にどんどん成長していくような~そんなすてきな姿が映り込んでいます。
 
卒業式後に友だちと撮った笑顔のスナップ。ここで涙がぽろり。なんか,鈴木先生の気持ちとシンクロしてしまうような,そんな臨場感と感動が伝わってくるものでした。
 パネルディスカッションでのプレゼンも心に響く内容で,なんだか励まされます。さすが鈴木先生です。鈴木先生は山梨県の総合教育センターの講師で来県しています。来年もおいでいただけるとのことで,ぜひ山梨でもあの感動をお願いします!

 自分の仕事が美術の教師でよかった~そんな笑顔になれる内容の濃いパネルディスカッションでした。
By 鷹野 晃